ヒュー・エリオット

1980年のジンバブエ独立後、ヒュー・エリオットを中心とした大胆な取り組みが続いていれば、今日のジンバブエの状況は変わっていたかもしれない。エリオットは、1970年代のローデシアで、白人と黒人の指導者たちによる影響力のあるグループを動かしていた人物である。エリオットの造語とされる「良心内閣」と呼ばれるこのグループは、白人と黒人の関係に顕著な影響を与え、ジンバブエ独立時にロバート・ムガベが政権を握った際には、暴力的ともいえる状況を打開することができた。

モラル・リ・アーマメント（MRA）運動に触発されたインフォーマルなグループは、ムガベが権力を握ることになった選挙までの5年間に会合を持った。ローデシアの指導者イアン・スミスの反抗期の息子アレック・スミスや、アレック・スミスが親しくしていた著名な民族主義指導者のアーサー・カノデレカ牧師も含まれていた。

1930年、彼はキッチナー奨学金を得て、オックスフォードのハートフォード・カレッジで歴史学を学んだ。

帝国が無私の精神で冒険的な奉仕をする機会であると考えるよりも、帝国の道徳性を疑う時代の中で、彼はアフリカの植民地局で働くことを希望していたのである。しかし、エリオットは熱心な帝国主義者とは言い難かった。彼は、アフリカ諸国が独立に向かうのを温かく迎えた。

オックスフォードでは、フランク・ブッフマンの精神運動「オックスフォード・グループ」（後の「モラル・リ・アーマメント」）に深く触れ、「神には人生の目的があり、それは早朝の黙祷と内省の時間に明らかになる」というブッフマンの考え方を歓迎した。これは、エリオットの生涯の哲学を形成する個人的な鍛錬となった。